情書的劇情簡介 · · · · · ·
山々に木魂した銃聲と荒々しく飛び立った鳥の羽音にドキリとして空を仰ぐ梢の眼前に、猟銃をさげた正男が現れた。これが二人の出逢いだった。それから二人はアルプスに沈む夕日を眺め、白樺の道を追いつ追われつ走った。しかし正男はいつも無愛想で、素っ気なかった。梢が東京へ帰ると、追いかけるように正男からラブレターが屆いた。それからというもの、梢の機の上には正男の手紙が高く積まれていった。手紙には必ず押し花が入っていたが、ツツジの頃から手紙の厚さが薄くなって來た。そして紅葉一葉の手紙を最後に、音信は絶えた。梢がピアノ弾きとして勤めるクラブ・モンプテイの支配人で歌手の福井は、正男宛ての手紙をポストに投函する梢の姿を夜霧の中で見つめていた。そして梢に近づいた福井は自家用車へと梢をうながすと「正男君の処へ行って來給え。君達の気持がラブレターのままだったら正男君の傍で暮らすんだ」と伝えた。梢は森の道を急いだ。 突然銃聲が木魂し、山鳥が飛び立ち、ぬっと隆次が現われた。東京から來た華やかな女性の姿に、隆次は驚いて呆然とした。梢は涙ぐんで隆次の胸に飛び込んだ。梢は本當に幸福だと思った。しかし、正男の住んでいた山小屋に向かうと、二年前とは打って変わった模様を不審がった。隆次は自分を正男だと思いこんでいる梢に、どう真相を話し出したらよいか悩んだ…